ソフトマター物理は,従来の物性物理が対象としなかった柔らかい物質についての物性物理である.つまり,その物質の性質がどこからくるのかを考える.流体に限定した場合は複雑流体と呼ばれ,ニュートン流体のように流れない流体の流動特性のメカニズムが問題になる.ニュートン流体のように粘度1つで物質の流れ方の特徴を表現できないのが複雑流体である.一般に,そのような流体は緩和が遅い何らかの微視的内部構造を持つ.流動特性を決める微視的な物理が遅く,マクロスケールの流動の時間スケールに匹敵するため,流れが流れ方を決め,そして流れが変わるという典型的な非線形の流動現象になる.複雑であっても法則性が分かっていれば利用できる.実際,流動特性が流動条件に依存するといった性質は,様々な工業材料や生体内の流動現象で利用されている.私はソフトマター物理を数値計算を使って研究している.

Romain (Mari)と2012年から開発してきた懸濁液シミュレーションのコード